【おすすめフリゲ紹介】技術将棋デルタ

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制作者  :シグラル様
プレイ時間:5分~∞時間
ジャンル :アレンジ将棋
プレイ方法:DL(Windows
オススメ :新しい将棋のカタチ

第9回 WOLF RPGエディターコンテストの参加作品です。

謳い文句である「将棋」×「スキル」の通り、
各駒に特殊なスキルが割り振られています。

例えば王の目の前に移動するスキルや
正面から駒を取られなくなるスキル、
自分と別の駒の位置を入れ替えるスキルなどなど。

しかしそのスキルを使用するには、
行動回数により増加する「兵糧」が一定数必要であり、
通常の将棋とは異なる考え方を求められるのが非常に面白いです。

また、作成ツールであるウディタでは非常に珍しいことに、
通信対戦対応という技術力の高さも魅力のひとつです。

惜しむらしくは、
ベースとなる将棋のルールを最低限知っている必要があること、
ツール機能の限界上、どうしても通信待ちが発生してしまうこと。

そのため、敷居の高さと対戦ツールとしての操作性に難はありますが、
新しい将棋のカタチとしてとても挑戦的な作品になっています。

新しい将棋のカタチといえば、
「ついたて将棋」という遊び方を皆さんご存知ですか?

相手の駒が一切見えない状態で、
その動きや配置を推測しながら駒を進めていく将棋の遊び方です。
これを知人から教わった時も目から鱗でしたが、
この作品も同じぐらい衝撃的で面白かったです。

そういう意味では色んなアレンジができる、
将棋そのもののポテンシャルの高さも感じられますね。

ご興味がある方はぜひプレイしてみてください。

sigural.web.fc2.com

【ウディタ】くるくるエフェクトもどきの作り方

1.くるくるエフェクトもどきって?


共同制作作品「マサオさがし」にて、
クリア表示のエフェクトとして利用していたやつです。

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画像だとわかりにくいですが、
実画面上ではくるくる回っています。

一回転している……ように見せかけて、
実は半回転を繰り返しています。
なので「もどき」です。

2.実装方法


方法は至って単純で、
ピクチャエフェクトで自動拡大縮小を横-200%にするだけです。

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そうすると、対象ピクチャの拡大率(初期値100%)が指定フレームかけて、
100% ⇒ -100% ⇒ 100% ⇒ -100% …… というのを繰り返すようになり、
結果的にくるくる回転しているように見えます。

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こんな感じにね。

3.ちゃんと一回転させるには?


ちゃんと一回転させようとすると、もう少し工夫が必要になります。
ぱっと思いつく方法は、パターンアニメーションを用意するか、
反転している画像を用意して-100%になったら交互に差し替えるか。
どちらにせよ、このもどきよりは手間がかかることでしょう。

この方法は誰でも手軽に真似が出来るし、
ピクチャ一枚でお手軽にそれっぽい演出が出来るので、
一工夫の手段としては十分有用かなと自分は考えています。

あ、でも何でもかんでも回すのはたぶん微妙です。
「マサオさがし」でもくるくるやってるのはクリアだけです。
正解・間違い表示はピクチャの単純な拡大縮小、
クリア出来なかった場合は上からスライド表示等、
その場面に合うやり方を採用するようにしています。

もし同じようなことをやりたいという人がいれば、
お試しあれっていう感じですね。

【おすすめフリゲ紹介】ウォルンタースの鉱石

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制作者  :だも様
プレイ時間:20~40分
ジャンル :ノベル
プレイ方法:ブラウザ、DL(Windows/Mac
オススメ :雨の手触りがする美しい物語

ティラノゲームフェス2016で出会った宝石のような物語です。

嵐の夜、誰かが貴方に語りかけるのは、
触れると色が変わっていく不思議な鉱石と、
とある少女と二人の友人の小さな物語です。

温かく柔らかな関係性なのに、どこか儚く。
しとしとと降り注ぐ雨の気だるさに包まれて、
貴方が握り締めた鉱石は何色に輝くでしょう?

繊細な心の描写と研ぎ澄まされた透明感のある言の葉が
すっと心の奥底に届く、素敵な物語です。

動作が不安定なのと、
鉱石の色が変わるルールが分かりにくいのが難点ですが、
ぎゅーっと押せば色が確定、
それ以外は色チェンジと考えておけば、
クリアまで辿り着けるかと思います。
(詳細が知りたい方はリンク先参照)

心理描写の巧みさもさることながら、
鉱石の設定を活かした物語構成も非常に魅力的で、
既にプレイから何年も経過してはいますが、
ずっと心に残り続ける物語です。

ご興味がある方はぜひプレイしてみてください。

www.freem.ne.jp

【おすすめフリゲ紹介】つないで、たどり着いた祈りの歌

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制作者  :cocotori様
プレイ時間:1~5分
ジャンル :ノベル
プレイ方法:ブラウザ、DL(Windows/Mac
オススメ :千文字に凝縮された高い物語性

音楽演奏機能を持つ、時代遅れのマシンドールと少女との関係性を描いた、
ふりーむ!の企画「千文字喫茶」の参加作品です。

一度でも物語を書いたことがある人ならわかると思いますが、
千文字で書くって逆にめちゃくちゃ難しいです。
言葉を削り、シーンを削り、物語を圧縮し……とやっていくと、
すごく抽象的になったり、言葉足らずになりがち。
あるいは千文字の規模を最初から意識し過ぎると、
たいした話にならず、そもそも面白味に欠けてしまうことも。

にもかかわらずこの作品は高い完成度を誇っています。
余すことなくそこにある物語を丁寧に伝えてくれるし、
それを描く言葉のひとつひとつが最大限の効果を発揮している。

千文字だからと切り捨てた部分が感じられないというか、
千文字を言い訳にせずに100%を目指して作られた作品というか、
最初に読んだ時はその完成度の高さに圧倒されましたね。

だって千文字ですよ。
その中にしっかり起承転結まで作られてるんですよ。

物語を彩るイラストは柔らかな温かさに溢れ、
色褪せてもずっと本棚に置いておきたくなる絵本のよう。

ものの数分でさくっと読めるけれど、
本一冊と遜色のない物語性を楽しむことができる作品です。
ぜひプレイしてみてください。

www.freem.ne.jp

【開発記】マサオさがし

1.制作ゲームについて


第11回WOLF RPGエディターコンテストに参加していました、
共同制作をしたSOrowさんのシリーズキャラクター、
マサオくんを主役とした間違い探しミニゲームです。

シンプルな操作で3~10分程で遊べますので、
よかったらプレイしてみてください。

マサオさがし f:id:ashutaru1552:20190820222144p:plain

なお、共同制作者のSOrowさんも開発記を書かれています。
ご興味がある方はこちらも合わせてお読みください。

2.開発経緯


もともとはGW明けぐらいから
別のミニゲームをウディコン向けに作っていたんですが、
思っていたよりネタが大きく広がってしまいました。

きっちり作ると恐らくミニゲームに収まらなくなるけど、
ミニゲームレベルで出すとあまり面白くない……という葛藤があり、
このゲーム開発は凍結。

今年のウディコンはプレイヤーとして参加かなと思っていたところ、
SOrowさんから「こういうゲームを作りたい」という話が舞い込みました。
【1】マサオくんで間違い探し
【2】マサオくんで新桃太郎伝説にあったような福笑い

ただ、僕としては心配の種がありました。

3.心配の種


僕が心配に思っていたこと、それは、
マサオくんというキャラクター性がウディコンで受け入れてもらえるのか
ということ。

前回ウディコン参加時のトラウマもあり、
また辛辣なことを書かれるんじゃないかという不安がありました。

いやもちろんそんなコメントばかりだった訳じゃないですが、
見るに堪えないとか、RPGである必要性がないとか、
そういう言葉が豆腐メンタルに刺さりまして……。

もしキャラクター生みの親であるSOrowさんが傷つくような結果になるなら
マサオくんシリーズでは参加しない方がいいよなあ、と。

その懸念をお伝えした上で、SOrowさんの方が問題ないのであれば、
ということで制作を開始しました。

4.心配の結末


結果として、これは本当に杞憂に終わりましたね。

今回の投票コメントやいただいた感想を見ていると、
マサオくんというキャラクター性も含め楽しんでもらえたようで、
僕としてはホッとすると同時にとてもありがたいなと思いました。

これはマサオくんのキャラクター性の良さが
きちんとプレイヤーの方に伝えられたというのもあるでしょうし、
以前ウルフさんが第9回ウディコン作品の「AN EARTH」を例に話していた、
ターゲット層の絞り込みに成功したからかもしれないと考えています。

タイトルから紹介画像まで、
とにかくマサオくんというキャラクター性を前面に押し出したことで、
興味ない人が無理にプレイしないで済むように出来た結果かもしれない、
ということですね。

もちろん気持ちとしてはなるべく多くの人に遊んでもらいたいですが、
ここら辺はトレードオフかなと考えています。
うまくバランスを取っていきたいですね。

5.こんなところを頑張ったよ


1.マウスのクリック判定

選択肢はウディタのデフォ選択肢を採用しているので関係ないですが、
その他のマウス操作の判定はきちんとした処理を作りました。

内部的にはマウスダウン(クリックした状態)だけでなく、
マウスアップ(クリックを離した状態)も判定していて、
必要に応じて取得内容を変えられるのですが……。

結局両方取得しかほとんど使いませんでしたね(白目

押しっぱなしの対応等も入れてあるので、
操作性に不便を感じないようには出来たかなと思います。

2.難易度調整

初期段階では現verよりも難易度がやばい画像がありました。

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やばい奴ら

序盤から中盤までは初期からそんなに変更はないんですが、
やはり後半ですね。

レベルがあがった分だけ難しくなってなきゃいけないけど、
ちゃんと気づけるようにもなってなきゃいけないというのが
本当に難しかったです。

SOrowさんには基本となる難易度設計をお願いしつつ、
新しいバリエーション画像を追加してもらったり、
気付きやすくなるようパーツの変化を大きくしてもらったり……。

一方で、自分は各画像の難易度を数値化するために、
ライフ無限かつ特定の画像が必ず出現するデバッグ環境を用意し、
連続30回実施した時の発見率を測定したりしてました(目が死んだ

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ざっくり数値化したデータ

SOrowさんはただ順当に難易度があがるというのではなく、
「レベル〇の中ではこいつが難しかったな」と
各レベルの中にもばらつきを作りたいという思いがあり。

僕は僕で、時間切れで間違い画像がピックアップされた時に、
「あ、ここが違うじゃん。何で気づけなかったんだ、くそー」と
思えるように、理不尽だと感じないようにしたいという思いがあり。

ここら辺はかなり念入りに相談しながら調整しましたね。

3.レベルシンク

レベルシンクという表現が適切かどうかはわかりませんが、
開発側ではそう呼んでいた機能があります。

それは、
全レベルが出現するチャレンジモードにて、
10回毎の合計レベルが常に30になるようにする
という機能です。

単純に完全ランダムにしてしまうと、
乱数次第でレベル1連発とかレベル5連発もありえます。

ある程度同じ難易度で競い合うのでなければ
オンラインランキングも意味がなくなってしまうので、
公平性を実現するための機能として導入しました。

1~9までのレベル合計が必ず29になるようになっており、
10回目はボーナスとなるチャレンジ専用(レベル1換算)で、
合計として30になっているはずです。

まあそうはいっても、下記の2パターンを比べた場合、
恐らく後者の方が簡単だとは思います。
・レベル5×5 + レベル1×4
・レベル3×7 + レベル4×2

なのでレベル5の出現回数を固定にするかとか、
スコア式にして高レベル=高スコアにするかとか、
色々検討はしたのですが、
出現難易度にある程度ばらつきがあった方が面白いという話になり、
現在の仕様に落ち着きました。

4.不正対策

「突撃!ウルファール道場」での経験があったため、
オンラインランキングの公平性を保つためにも
不正対策はばっちりやろう!

ということで、PrintScreenやAltキー、F10の一時停止には
きっちり対策を仕込んでおいたのですが……。

ウインドウ移動は盲点だった……orz

ご報告いただいてすぐウディタの非アクティブ状態判定を導入し、
バージョン1.01へアップデートしたのですが……。

結果として、ウディタの非アクティブ判定では
問題を解決出来ませんでした。

ウインドウをクリックして即座に離すと
アクティブ状態0(非アクティブ)を検知出来るんですが、
ウインドウを長時間クリックしてから離すと
アクティブ状態1(アクティブ)になってしまい検知出来ないんですね。

他にもゲーム内時間と実時間のズレで検知出来ないかとか
色々試してはみたんですが、
最終的に画面外(上部)にカーソルを動かしたらアウト
という方法で決着となりました(バージョン1.02)。

操作性に窮屈さが多少出てしまうかもしれませんが、
他に良い方法が思いつかなかった……。

5.福笑いのアレンジ

「マサオくんで新桃太郎伝説にあったような福笑いを作りたい」けど
「このまんまやると、まんま新桃太郎伝説だからなあ」という悩みを
SOrowさんから聞き、一工夫入れようと考えました。

このゲームの肝は、
「記憶通りやったにもかかわらず、
 思ったようになってなくておかしな顔になってしまうのが面白い」
というもの。

この部分を外さなければ求めているゲーム性は失われないと考え、
パーツを射出するというアイディアに至りました。

角度さえ合えば決められた距離に必ず置ける分、
場所を覚える難易度は下がります。
その分、狙った角度で打ち出す難しさという
タイミングゲーの要素を持ち込んだ形ですね。

角度の算出処理を作るのはそこそこ大変でしたが、
ツイッターに色んな顔のマサオくん画像が投稿されていて、
とても嬉しかったです。

ちなみに100点を取るとタイトル画面にちょっとした変化があります。
100点は意外とシビアだったりしますが、
よかったらチャレンジしてみてください。

6.余談


1.お遊び要素

クレジットのマサオダルマは当初、
背景と同化していて動かない代物でした。

クレジット画像を作成していたSOrowさんがふと、
「カブを使ったマサオ君の頭部だるま落としも作れそうだなあ……」
と言っていたので、
SOrowさんを驚かせたろと思って勝手にこっそり追加しました。

福笑いももともとは、
間違い探しとは別アイディアとして提案されていたのだが、
おまけに入れたらちょうどいいんじゃないかと思い、
これまた勝手にこっそり追加しました。

データを渡す際には「クレジットにおまけ追加」とだけ伝えて
SOrowさんの驚く反応を楽しんでいたわけで、
いわば正真正銘お遊び要素でした。

結果的にプレイヤーの方々にも楽しんでもらえたので、
お互いを楽しませようとすると自然と良いものが出来ていくのが
共同制作の良いところかなと改めて思いました。

2.ミニゲームであるということ

以前ウディフェスに出した「突撃!ウルファール道場」も
オンラインランキング搭載の上、
熱いランキングバトルが繰り広げられたのですが……。

その時はトップ層が想定外の超人的ハイスコアを叩き出し、
ランカーレベルになると1回のプレイが30分以上になるなど、
意味の分からないことになっていました(白目)。

それはそれでもうめちゃくちゃありがたかったのですが、
1回のプレイが30分以上ってもはやミニゲームではないし、
気軽にランキングバトルにも参加しにくくなってしまうという
問題点にも気づかされた出来事でありました。

その反省を踏まえ、最近はミニゲームを作る場合、
必ずリミッターをつけるようにしています。

今回でいえば1正解毎に制限時間が短くなるというやつですね。
これにより、どんなに頑張っても1回のチャレンジプレイは
10分以内に収まっていることでしょう。

ミニゲームは手軽に遊べるのがよいところだと思うので、
きちんとミニゲームらしく楽しめること、
それも大事なことかなと考えています。

そうはいっても今回も上位陣は凄かったですけどね!
60超える人達の認識能力はすげえと思います……!

3.一ヶ所だけ……

今回はSOrowさんがシナリオも担当しているのですが、
自分も一ヶ所だけ文章を書きました。
分かる人には分かる! かもしれない?

7.総評


作っている最中に気づいたことですが、
マサオくんの顔が絶妙なバランスで成立しているため、
この間違い探しというゲーム性と非常に相性が良かったですね。

だんだん正しいマサオくんですら間違っているように思えてくるという、
謎のゲシュタルト崩壊現象はこのゲームの特徴だと思います(白目

システム担当としては、ミニゲームとはいえバグはひとつも報告されず、
作りたいと言ってくれたSOrowさんの要望を余すことなく叶えられたと思うので、
とても満足しています。

SOrowさんの方から提案がなければ作られていなかったゲームなので、
改めてSOrowさんに感謝ですね。いつもありがとうございます(´▽`*)

8.今後について


ヴァーミリオンの青空やエディの人間大砲、遺跡ラビッツなど、
今年のウディコンはアクションゲーが自分の好みに多く刺さったため、
アクション要素のあるゲームが作りたくなってきました。

もしかしたら来年のウディコンには
アクションゲーで出るかもしれません。

まあ予定はいつだって未定。
フリゲ制作は風の向くまま、気の向くまま。

絶対とは言い切れませんが、今の気分はそんな感じです。
もし楽しみにしてくれる人がいるならとても嬉しいですね。

それでは、これにて、マサオさがしの開発記は終わりです。
あとは1参加者として結果発表を楽しみたいと思います!

改めて、プレイしてくださった方々、
本当にありがとうございました!