2021年1・2月感想まとめ

アニメ

呪術廻戦 第1~14話(原作:芥見下々、制作:MAPPA

のっけからいきなりおもしれー!
作品のベクトルはペルソナ的な感じ。
登場人物の死を重く描いており、心理描写も弱さや情けなさを丁寧に描いてくれてるけど、
だからこそ軽快な掛け合いや真っすぐな主人公の精神が非常に活きていて、
とてもバランスのよい作品だなと思う。
何よりちゃんとした大人がいて、子供達を導いてくれてるのが心強い。
鬼滅みたいにアニメを最後まで見終えたらマンガの方も買っちゃうかもなあ。

Dr.STONE 第二部 「STONE WARS」 第1~7話(原作:稲垣理一郎 / Boichi、制作:TMS/8PAN)

第一部から引き続き視聴中。
第一部と違って既にある程度化学技術が進歩しているので、
そこら辺の盛り上がりは難しいだろうなーと見る前から思っていたのですが、
演出や工夫でそこら辺も盛り上げようと頑張っていて、普通に面白いです。
まあやっぱり第一部と比べると若干落ちる気はしますが……、
実際この手の作品で技術や成長がある程度進んでから
さらに物語を盛り上げるのってどうすればいいんだろう。難しい問題だなあ。

マンガ

ブルーピリオド 9巻(作者:山口つばさ)

8巻の時は受験という目標がなくなったことで
ちょっと勢い失くしたかなと思ったのですが、
9巻面白い! しかもいいところで終わる、10巻はよ~!
結局芸術とか創作の道って根拠なき才能への自信と絶望の連続なんですよね。
だからこそ、この作品は真摯だし、勇気づけられるものがあるように思う。

ブルーロック 1~12巻(作者:金城宗幸 / ノ村優介)

とんでも設定であることを事前に知っていたので、
一時期買うのを躊躇していたのですが、意を決して買いました。
結論から言うと、めっちゃ面白い! ていうかわかりみに溢れている!
サッカーファンなら心の中で一度は思ったことがありそうな気持ちや
サッカーに限らず何らかの競技やったことある人ならわかるであろう、
頂点を目指すということがどういうことなのかをがっつり描いてくれてるので、
個性的なキャラクターも相まってとても面白いです。
中田英寿本田圭佑との対談でエゴについて語っていた話があって、
それがドストライクにこの作品のテーマを表している内容だったので、
とんでも設定ではあるけど、内容や方向性には強く説得力が感じられる、
というのが自分のこの作品に対する捉え方ですね。続き楽しみ。

進撃の巨人 33巻(作者:諫山創

次でラスト。いよいよラスト。
物語の展開上、恐らくこうなるだろうという結末の方向性は、
皆何となく想像出来ていると思うので、そういう意味では、
どう終わるのか、ではなく、その終わりをもって何をもたらすのか、
という観点で最後まで見届けたいなと思っています。

銃夢 全9巻(作者:木城ゆきと

SFでは有名らしく、ハリウッドで映画化もされていた本作。
退廃的な世界の中、
空中に浮かぶ都市ザレムとその足元に広がるクズ鉄町を舞台として、
記憶を失った義体の少女が自らの過去や世界の在り様と向き合う作品。
何か出版側と色々揉めた関係で不自然な終わりを迎えたようですが、
自分が読んだのはリニューアル版だったので、
続編のLastOrderに繋がるような終わり方になっています。
作品の方向性やある種のグロテスクさはAKIRAとかに通じるものがあって、
懐かしい時代の匂いがする気がしました。
SF的な説得力という意味ではすごく練り込まれていて面白いのですが、
ストーリー展開的には本作より続編の方が面白いかも。

銃夢(1)

銃夢(1)

銃夢 LastOrder 全12巻(作者:木城ゆきと

という訳で続編のLastOrderです。
こっちの方が主人公の目的がはっきりしていたり、
宇宙に飛び出したことでこの世界がどうしてこんな風に形作られたのかが
ある程度見えるようになっていたりして、興味を持ちやすい感じはしました。
特にカエルラさんは格好いいしストーリーもよかったのでお気に入り。
ただ、戦闘力のインフレが凄すぎたせいなのか、後半は謎の空手推しが始まり、
戦闘描写はとんでも異空間パッションバトルと化すので、
そこら辺のリアリティは前作の方があったかもしれない。
さらに続編の銃夢火星戦記が現在連載中らしいのですが、
LastOrderがわりかし綺麗に物語を閉じてくれたものだから、
ここまで来たからには読もうかなー、どうしようかなーと思案中。

本(小説)

元彼の遺言状(作者:荒川帆立)

『このミステリーが凄い!』大賞受賞作だそうです。
最近kindleで買ってばかりだったのでご無沙汰だった本屋で見かけたので購入。
死亡した元彼が、
自分を殺した犯人に遺産を相続するという謎の遺言状を残したことから始まる本作。
自分が犯人であると名乗り出る人間が続出する中、
とある人物が犯人であることを証明するための代理弁護人となった主人公が
結果的に元彼の謎の遺言の理由と彼を殺した犯人を探し出していくというストーリー。
この主人公の女性弁護士がとにかく癖のある高慢キャラクターなのですが、
そういう、人にはちょっと嫌われそうなキャラクターをうまく消化しているのが凄い。
そういう彼女にも痛みや挫折や悲しみがあり、それが物語の展開に影響を与えることで
思わぬところからこの事件の別の面が見えてくるという構成はお見事。
ただ文章自体に色があるタイプではないので、かなりさらっと読めてしまったことから、
面白くはあったけど、
記憶に残る作品かと言われると難しいというのが正直なところかも。

元彼の遺言状

元彼の遺言状