2021年4月感想まとめ

映画

七つの会議(原作:池井戸潤、監督:福澤克雄、主演:野村萬斎

色んな人の、ある意味接点のなさそうな事件から
少しずつ大きな事件が見えてくるという構造は群像劇的だが、
個々の登場人物の物語を楽しむというよりは、
視聴者も含め野村萬斎という道化に振り回されるのを楽しむ作品といった印象。
池井戸潤原作ドラマでは常連の人達で埋め尽くされているため、
ある種の安心感や安定したクオリティは保証されているが、
全体的にメリハリが弱く、驚きやカタルシスに乏しかったため、
半沢直樹のような衝撃や痛快さを求めて見ると肩透かしかもしれない。

七つの会議

七つの会議

  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: Prime Video

マンガ

東京トイボクシーズ 3巻(作者:うめ)

うーん、あんま話進まんな!
正直巻を追う毎に作品全体のテンションが下がっていっている印象。
eスポーツ特有の熱やプレイヤーの努力も見せて欲しいところだが、
裏で暗躍する大人達の事情に比重が置かれ過ぎなのかなあ。
あと基本的に主人公が強すぎる。今のところ負ける気配なし。
なのでバトルシーン(格闘ゲームだけど)がありながら
ハラハラしないのが結構致命的に難点。

監督不行届 全1巻(作者:安野モヨコ

庵野秀明エヴァ総監督)の奥さんが描く、
面白おかしい庵野監督との結婚生活を描いたエッセイマンガ。
プロフェッショナルの流儀で庵野監督の生態を見届けた後、
前から気にはなっていたのでちょうどいいから読んでみたのですが、
いやー、やっぱ変人ですわ(死
でも夫婦としてはかなり綺麗に成立しているというか、
(成立しているところしか描いていないからかもしれないけど)
なんだかんだ幸せオーラが溢れているあたりが、
よかったねと庵野監督に心の底から言ってあげたくなる(誰目線

監督不行届 (FEEL COMICS)

監督不行届 (FEEL COMICS)

宮本から君へ(完全版) 全12巻(作者:新井英樹

4月の一時期、俺のメンタルをブレイクした作品(死
まさかこんな展開になろうとは……ぶっ続けで読めてもきつかったのだから
こんなものを連載で読まされていた人達のメンタルは大丈夫だったのだろうか。
終わりこそ見届けてよかったと思えるものの、
終盤の展開はあまりにも辛く(特に男性にとっては)、
生々しい熱と苦みと泥臭さに塗れた物語はしばらく心を掴んで離さない。
読むなら覚悟を持った方がいいとは思うが、読む価値はある作品だと思う。

宮本から君へ [完全版] 1

宮本から君へ [完全版] 1

本(小説以外)

広告コピーってこう書くんだ!読本(作者:谷山雅計)

コピー文章の書き方指南的な本。
今は個人で色々発表する機会も多いため、
こういうものの需要はもはや万人に広がりつつあるように思う。
また、アイディアの捉え方、文章の請求力といった点については
小説や物語場面にも通ずるものがあり、
とても面白く読むことが出来ました。
わりとさくっと気軽に読めるのでオススメ!

広告コピーってこう書くんだ!読本

広告コピーってこう書くんだ!読本

はじめてのUIデザイン 改訂版(作者:オムニバス)

UIに関する本ではあるが、どちらかというと職業デザイナーの駆け出し向け。
考え方や扱うツール、仕事として受注した場合のアプローチや落とし穴など、
かなりロジカルかつ事細かに掘り下げられた内容になっている。
反面、もし職業にしようという考えでない人が読むのであれば
次の「デザイナーじゃないのに!」の方がわかりやすく書かれているのでオススメ。

デザイナーじゃないのに!(作者:平本久美子)

ポイントとなる部分は「はじめてのUIデザイン」と同じことが描かれているのだが、
こちらはマンガ形式だし具体例つきでとてもわかりやすく書かれているので、
UIやポスターといったデザイン的構成の考え方を軽く学びたいという人にはオススメ。
そういう意味ではまず初めにこっちを読んで、
その上でデザイナーという職業に興味が感じられたなら、
先述の「はじめてのUIデザイン」を読むという流れがよいかもしれない。