2021年6月感想まとめ

映画

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(原作:富野由悠季、制作:サンライズ

三部作の第一部にあたる本作、既にyoutubeで公開されていた冒頭15分は
十分面白かったので、これは期待できるんじゃないかと思いながら見に行きました。
実際のところ、非常によく出来た映画で、なかなか面白かったです!
特に映像美や風景の描写センスは近年のガンダムの中で随一という印象。
富野節な言い回しや宇宙世紀の空気感を抱えつつも、
新たな時代の技術や価値観を踏まえたニューガンダムに仕上がっていると思います。
ただ、かなりアダルトな空気感が漂う作品でもあるので、
子供が見て面白いガンダムではない、のは間違いない(笑)
第二部も期待しています!

アニメ

シャドーハウス 8~11話(原作:ソウマトウ、制作:CloverWorks)

お影様達の取り巻く環境が見えてきたことで没入感がぐっとあがった。
相変わらず主人公は天真爛漫で
よくも悪くも頭の中お花畑(作中でも言われる)なんだけど、
その優しさや勇気が不必要に説得力もなく
周囲や世界を変えていかないところには好感が持てるな、と思う。
失敗もあるし、きちんと敵対や窘める人もいるのがよいね。
また、10話から一気に話の裏側が見えて性質も変化したため、
よい意味でさらに印象が変わっていってる。俄然面白くなってきた!

ドラマ

プリズン・ブレイク シーズン4 11~15話(主演:ウェントワース・ミラー

もう話を引き延ばすためのギミックとか、
シーズン4にきていきなり発病した主人公の病気とか、
もうそういうのはどうでもいいんだ……
はやく、結末を見せてくれ……(死

マンガ

進撃の巨人 34巻(作者:諫山創

いよいよ最終巻でございました。
ある程度は想定通りの展開ではあったのですが、
やっぱり終わり方も含めて何だか切ない……。
手に入れたもの、失ったものがたくさんあり、
失われたものはもう二度と戻らない訳で。
エレンの生き様と飛翔する鳥の行方に寂しさを感じながらも、
なにはともあれお疲れ様でした。

ゴールデンカムイ 26巻(作者:野田サトル

登場人物が劇的に増えたせいでハチャメチャ感が凄い。
個人的にはもう少しコンパクトに旅していた頃の方が好きだったけれど、
これはこれで頑張ってエンタメしようという心意気が伝わってくる構成ではある。
刺青の数もついに終わりが見えているので、
ここからクライマックスへどう持っていくのか、楽しみです。

大東京トイボックスSP 全1巻(作者:うめ)

大東京トイボックスの番外編を読み忘れていたとは、なんたる失態!
と思ったら発売日が今年の四月だった。
またこいつらの話が読めるとはねー、ありがたい限りだ。
しかし作者様も言っていたが確かに下ネタがなかなかに多い(笑)
それでも各キャラクターの特性にうまく焦点を当てていて、
やっぱりこの世界観、この登場人物好きだなーと思い知らされた。
また本編読み直そうかな。

東京トイボックス0 全1巻(作者:うめ)

東京トイボックスの番外編を読み忘r(ry
発売日が今年の4月でした。こっちは完全な前日談にあたるので、
きっちり起承転結流れのある話になっていました。面白い!
太陽というキャラクターは強さ・弱さがはっきりしているので、
そこの焦点の当て方と周囲との関係性が絶妙だなーと思う。
何よりこの歳になると何か頑張ってる社会人の話って刺さっちゃうのよ(死
ひたむきさを忘れない大人って何かださ格好いいんよねえ。

ゲーム

√Letter ルートレター(開発:角川ゲームス

ずっと気になっていたゲームがセールだったので購入してみた。
ゲームカタログでは評価が「怪作」となっており、
知人からは「Steamのレビューが荒れている」と聞いていたので、
色々やばいんだろうなと覚悟を決めてプレイしていました(笑)
ただ、確かに主人公の性格がカオスとか電波なシナリオもあったんですけど、
TRUE ENDはね、本当にいいストーリーでした。
あと島根のあちこちを巡り歩くというのは、
このコロナ禍という状況にあって、疑似的な旅行感もあって楽しかった。
一週目とTRUE ENDをプレイするだけなら良いゲームだと思います。
ただUIやスキップシステムに難ありのため、
もしプレイしてみようかなっていう人がいるなら、
後述のシステム改良+追加シナリオあり版、Last Answerの方をオススメします。

√Letter ルートレター Last Answer(開発:角川ゲームス

実は続編だと思って購入したんですが、先述の通り、
システム改良+追加シナリオあり版、というだけでした……。
いや、だけって言い方もあれかな。なんといってもこの追加版、
何故か全編実写モードを実装するという謎の気合の入れ様。
街とか428リスペクトなのかわかんないけど、
最初からそうするならともかく、追加版でなぜ? 誰得?(イッテハイケナイ
実写を演じられた役者の方々は味があってよかったですけどね。
UIはそれなりに改善されてて、デフォルト版よりはプレイしやすくなってる。
デフォルト版と同じ2Dイラスト版(オリジナルモード)でプレイするとしても、
Last Answerでプレイした方が確実に快適に遊べます。
TRUE ENDはいいシナリオだったので、ご興味があれば安いですしぜひ!

Guilty Gear Strive(開発:アークシステムワークス

待ちに待った神ゲー
今までにないシステムで不安も大きかったが、
遊んでみればやはり神ゲー
格闘ゲームをプレイしているという体感が確かにありながらも
カジュアルにも遊べるという匙加減がかなり絶妙。
個人的にはXrdが盛り上がり過ぎたなという印象もあるが、
ストーリーもひとつの決着として見届けられてよかったなと思うし、
まあようは神ゲーなんだ。うん。ぜひ遊んでくれ!

本(小説)

白鳥とコウモリ(作者:東野圭吾

久しぶりに東野圭吾の新刊を読みました。
500Pを超える大ボリュームだったんですが、
やはりトリックとか仕掛けにはあまり驚かされない……
というか話が地味に複雑なので驚く準備が揃わないまま話が進んでしまった、
といった方が自分の感覚としてはしっくりくるかな。
あるいは僕からそういうものを楽しむ力が失われてきているのかわからないけど、
なかなか容疑者Xの献身のような驚きをもう味わえないのは少し寂しいところ。
ラストやタイトルが意味するテーマ性の重さみたいなものは
さすが東野圭吾と思わせるものがありました。

52ヘルツのクジラたち(作者:町田そのこ)

とある事情で田舎へ引っ越してきた、傷ついた女性「貴瑚」と、
虐待されている少年「ムシ」が出会い、交流していく中で、
二人は52ヘルツのクジラの声を聴く。
52ヘルツという特殊な周波数でしか鳴くことの出来ないクジラ。
他の誰にも届くことのないその声は、孤独で、しめやかで、
深い海の底にひっそりと、でも確かに響き渡っている――。
本当は誰もが持つであろうそれを確かなカタチとして描いた本作。
前半は何か情緒不安定な田舎暮らしが続くので少し退屈でしたが、
後半の畳みかけるような感情の波はぐっと惹きつけられるものがありました。
本屋大賞受賞作ということで、長さもそんなに長くないので、
話題作として手に取っても十分楽しめる作品かなと思います。

本(小説以外)

筆を折った人のための創作論(作者:らぴ)

別段筆を折った訳じゃないんですが、
今までこの手の創作手法とか創作論みたいな物とは距離を置いていたんですね。
というのも、画一化されたやり方に手を染めると量産品しか作れなくなりそうな
そんな傲慢さと恐怖心が少なからずあったので。
ただ、別段そんな程度で消える個性なら個性でも何でもないだろうという思いと、
いい物語を書きたいという方向性でも頑張ってみたいなーと思い、
この手の本にも手を出してみた次第です(Kindle Unlimitedなら無料だし)。
内容はかなり短い(というかシリーズ構成)ので、
入門編の言葉が示す通り、そんなに具体的な手法に触れたものではなかったかな。
ただ、少なからず吸収出来るものもあったしさらっと読めるから、
このまま次の巻も読んでみようかなとは思う。

小説家になりたい人のための教科書(作者:らぴ)

タイトルのつけ方に関連性がないのでわかり辛いですが、二巻目らしいです。
内容はかなり基礎的な部分なので、あまり参考になるところはなかったかな。
これから物語を書いてみたい人には良いかもしれない。
が、書いていれば自然と身についてくるものが大半なので、
よっぽど体系的な知識から入りたい人なら読んでみてもって感じかな。
もっとがっつりストーリーやキャラクター造形の手法とかを知りたかったんですが、
そういうのを期待して読むものではない感じですね。

物語を楽しく書いて売る方法(作者:らぴ)

タイトルのつけ方に関連(略)三巻目らしいです。
こっちの方が具体的な方法についての記載や考え方があったので、
いらんところ飛ばして読めば結構参考になるかも。
世界観と舞台設定の違いや戦闘シーンを上手に書く方法とかは結構面白かった。
ただ、次巻は小説家のためのマーケティング戦略というタイトルなので、
あまり興味湧かないし、このシリーズはここで終わりということで。

エンタテイメントの作り方(作者:貴志祐介

自分的には「新世界より」の印象が強い貴志祐介さんの小説の書き方本。
自身の体験をベースにしており、理路整然としながらもくどすぎないのは、
さすがプロ作家といったところか。
ただ、テクニックと呼ぶにはいささか観念的なものもあるため、
結局基本的な方針に従って地道にコツコツやっていくしかないのかなとも思う。
まあそんな目から鱗のテクニックなんてそうそうないやあね。
ただ、プロもまたこうやって努力し足掻いているんだよってわかるだけでも、
物書きにとっては勇気づけられるものがあるんじゃないだろうか。

コーチングが人を活かす(作者:鈴木義幸)

管理者的ポジションになってきたので、
育成していく上で何かヒントになるものがあればと思い読んでみた。
ティーチングは簡単なんだけどコーチングはやっぱり難しい。
言うは易しというか、そんなうまくいくかなーと思える部分も多かったが、
褒め方のパターンはひとつ増やせたように思うので、今度試してみたいところ。

マンガでぐっすり! スタンフォード式最高の睡眠(作者:西野精治)

スタンフォード式 最高の睡眠」のマンガ版。
マンガ形式はカジュアルに読めるので重宝してはいるのだが……。
マンガがあまりにも内容的に適当過ぎてマンガである意味がなくなっている。
結局大事なところはテキストでぶわーっと書かれているので、
これなら普通に元の本を読んだ方がよかったかもしれない。
まあポイントはわかったので、睡眠力改善を試してみるぜ。

マンガでわかる カラダが激変する本気の筋トレ(作者:岡田隆

マンガ形式二個目。
内容は薄かったが、マンガはこっちの方がよかった(ぁ
ちゃんと起承転結しっかりしているし、無駄がない。
本の趣旨とは結果的に反するが、
実際問題二ヶ月で激変させるならちゃんとジム行って
トレーナーに教わった方がいいんだろうなということはわかった。
家でやれることは限られてるし、誰もフォームチェックしてくれないもんね。

睡眠こそ最強の解決策である(作者:マシュー・ウォーカー、訳者:桜田直美)

後半かなり読み飛ばした状態での感想になります。
とにかく色々書いてはあるのだが、書いてあるうちの九割は、
睡眠不足がいかにリスクであるかという話でしかない。
この本を手に取るような人間の大半は
多かれ少なかれそこにリスクを感じているだろうし、
だからこそよく眠れる方法を求めて読む訳だが、
そういう意味ではほとんど役に立たない本であった。
どうすればよいか、という点についてはありふれた情報しか出てこない。
なので、具体的な解決策を求めている人は読まない方がよいだろう。

人は話し方が9割(作者:永松茂久)

今月読んだ小説以外の本の中では一番よかった一冊。
ある意味において、話し方のテクニック集ではあるのだけれど、
その本質には結局のところ相手のためっていうところがあって、
テクニックを通して心構えを知れるという構成がとても良かった。
誰もかれもに尽くすような時間はないんだし、
その中で僕は僕なりに意識して気を遣っているつもりだったけど、
結局半分はポージングでしかなかったのかなとも思う。
時間で調整するんじゃなくて、質で調整することが出来れば、
より多くの人ともう少し誠実に向き合えるのかもしれない。
まあこの手の本はそれをちゃんと実践出来るかどうかなので、
そこは意識して努力していきたいと思う。

科学的に正しい筋トレ(作者:庵野拓将)

とても詳細に書かれており、何をエビデンスにしているのかも
きちんと提示した上で論立てされている。
しかしながら筋トレのエビデンスは結局数年後に
「やっぱり有意性はありませんでした」ということもしばしばあるので、
現時点ではこの可能性が高い、ぐらいの感覚で捉えていくのがよさそう。
とりあえず高負荷低回数じゃなくても、
週単位での運動量負荷が同等であれば低負荷高回数でも
そんなに有意性に差異はないよ、という話が事実であるならば、
筋トレのしんどそうなイメージは覆りそうだなあと思った。

図解 コーチングマネジメント(作者:伊藤守)

コーチングの本でオススメありますかって聞いたら
うちの社長から渡された本1。
見開きで半分が解説、半分が図解になっているので
非常に読みやすくわかりやすくはあるのだが、
汎用的過ぎたり理想論過ぎたりするところも多く、
そんなに実践で役立つような情報はない印象でした。

教える技術 チーム編(作者:石田淳)

コーチングの本でオススメありますかって聞いたら
うちの社長から渡された本2。
こっちは結構自分でもやっちゃってるかもと思わされる問題点や
こうしたらあの場面もっとよい方向に持ってけたのかもなあと
思える部分があり、読んでよかったかなと思える一冊でした。
読みやすくていいのだけれど、どうも前にあった本の続きらしく、
気になる方は一個前からちゃんと読んだ方がいいかもしれない。

「おもしろい人」の会話の公式(作者:吉田照幸

何かこういう本を読んでるって出すのちょっと恥ずかしかったりもしますが、
もともと話すのが下手というコンプレックスがずっとあるので、
少しでも改善の手助けになればと読んでみた次第。
内容は結構面白かったです。結局のところ、
「人は話し方が9割」の方でも書きましたが、
こういうのって全部本質的な意味において
相手の為にすることなんだなと痛感する今日この頃。
場合によっては傷つけるリスク高そうなものもありはしましたが、
そういうのは上手にスルーしてしまえばよいので、
トータルでいえばロジカルで面白い本だったかなと思います。

なぜか好かれる人の話し方 なぜか嫌われる人の話し方(作者:ディスカヴァー・コミュニケーション・ラボラトリー)

Kindle Unlimitedで無料だったので読んでみました。
内容は恐らく多くの人がある程度気を付けていることだとは思う。
ただ、その裏側にある意図、言葉にしない意味づけみたいなものを
とにかく徹底的に解説したものではあるので、
気を付けていることの重さみたいなものは
読後の方が強く感じられるようになっているかもしれない。

頭の回転が速い人の話し方(作者:岡田斗司夫

これを書いたおっさん自体は好きになれないんだけど、
そういう人間が書いたものをあえて読んでみてもよいのではないかと思い、
図書館で借りてきて読んでみた一冊。
僕は深くゆっくり考えるのは得意ですが、
瞬間的に物事を考えるのは苦手という自覚がずっとありました。
本著でいうところのローギアはいけるけどトップギアはだめだめな感じ。
じゃあトップギアを鍛えるのはどうすればよいのか、というと、
うーん、参考になるところはそんなになかったかな(死
そもそもユニバーサル・トークというものが全然ぴんとこない……。
ただ試してみたいと思えるアプローチは二つほどあったので、
収穫はそれと、島田紳助のエピソードが面白かったことぐらいかな。

3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方(作者:小西美穂

キャスターさんが書かれた聞き方・話し方の本。
なので、インタビューや司会寄りの考え方・価値観の話も
ちょいちょいあるのが他とは違うところかな。
ある程度短くまとまっているし、実体験のエピソードも交えているので、
内容は読みやすい方だと思う。
Kindle Unlimitedで無料なので、興味がある方は読んでみてもいいかも。

話し方で損する人 得する人(作者:五百田達成)

Kindle Unlimitedで無料だったのでシリーズ。
さすがにこの手の本を何冊か読んできた結果、
ほぼ見慣れたことが書いてある現象になってきました。
それはこの本が平凡なことしか書いていないという意味ではなくて、
大事な部分のコアはやっぱり一緒なんだ、ということ。
そういうものをきちんと再確認出来たのでよかったし、
この本が一番身近な題材を例にしているので内容もシンプル。
さくっと読む一冊としてはオススメかもしれない。