単発小説

そして夢の終わり

「ただ生きているだけなのに、悲しくなることってあるよね」 と彼女は言った。 春の麗らかな日のことだった。庭の梅の木には白い花が咲いて、柔らかな輪郭の影がつらつらと揺れていた。ああ、悲しいな、と僕は思った。でも何が悲しいのか、自分でもよく分か…