2020年07月感想まとめ
映画
・記憶にございません!(監督:三谷幸喜、主演:中井貴一)
発想は面白いんだけど、映画枠の中でいい話にまとめようとし過ぎた感。
もっとそのシチュエーションでしか発生しない突飛さが欲しかった。
・ラヂオの時間(監督:三谷幸喜)
やっぱおもしれ~~~~~!
記憶にございませんはあれだったけど、こういうのとか、
真田丸とか見ちゃうとやっぱ三谷幸喜作品に期待しちゃうのよねえ。
久しぶりに見たけど人間の悲哀交々、大人の涙・喜び諸々。
本当にいい映画だ。
・ザ・ファブル(監督:江口カン、主演:岡田准一)
岡田君主演のファブル実写版。
映画枠に収めるために色々端折っているが故に、
見た目上は原作再現しているシーンや台詞でも、
原作より随分説得力に欠けるなあと思える場面が多い。
登場人物も皆三下レベルに頭が悪くなっているが、
アクションシーンはわりと見応えがあって楽しめた。
原作ファンは不満が残るが、原作知らない人ならそこそこは楽しめるかも。
・いなくなれ、群青(監督:柳明菜、主演:横浜流星)
河野裕原作小説の実写映画版。
主に一巻をベースに若干二巻の話を混ぜ込んで作られており、
大地という少年が一切出ない代わりに、
二巻の女の子がその役割の一部を担うような構成になっている。
例えばトクメ先生が仮面をつけていないなど、
本来あるべき「いなくなれ、群青」から考えれば
そうあってはいけない変更が為されているなど、
原作ファンとしては当然不満はあちこちに残る。
ただ、映画の作り手側から考えれば、
当然尺の都合などもあって原作のすべてを入れることは出来ない。
であれば、語れない意味深なキャラを出すより平凡な脇役にしてしまう方が
映画で見せたい話の本筋に集中してもらえるようになる、
という意図は理解出来るのでそこら辺はやむを得ないことだと思う。
そういう意味では、原作の空気感はかなり頑張って表現されており、
自分が当初想像していたよりはずっときちんと「いなくなれ、群青」ではあった。
ただ1点、致命的な不満として残るのは、真辺がピアノを弾けてしまったこと。
真辺由宇というキャラクターは、
誰のことも救う手立てがないのに救おうと奔走するキャラクターのはずだ。
あの瞬間、真辺はピアノなんか弾けちゃいけなかった。
それは映画としても描こうとしたテーマの部分であるからこそ、
真辺由宇というキャラクターの本質をぼやかしてしまったように思えた。
・暴走特急(監督:ジェフ・マーフィー、主演:スティーヴン・セガール)
いわずと知れた名作ですね。
とはいえセガール作品を見たのはたぶん初めてなんですが、
とても面白かったです。昔の作品はシンプルに面白くていいですね。
説得力のあるアクションは見応え抜群でした。
Under Siege 2: Dark Territory (字幕版)
- メディア: Prime Video
ドラマ
・クリミナルマインドシーズン4 EP10~26
ギデオンがいなくなってからもういいかなと思いつつ、
何だかんだ惰性で見てしまう。
が、ギデオン役のマンディ・パティンキンじゃないけども、
EP4のラストはかなりヘヴィでちょっと見るのが嫌になってきた。
もう十二分に楽しませてもらったし、
このシリーズはここで終わりでもいいかもなあ。
クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪 シーズン4 コンパクト BOX [DVD]
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: DVD
マンガ
・ゴールデンカムイ22巻(作者:野田サトル)
一緒に旅していたメンツは結構散り散りになってしまって寂しいけど、
相変わらず抜群に面白い。
・チェイサーゲーム1~4巻(原作:松山洋、作画:松島幸太朗)
Kindleで3巻まで無料だったから読んでみたら結構面白かったので購入。
CC2社をモデルとしたゲームクリエイターの成長物語で、
自主規制で締切変わらず要件変更とか、裏話(暴露話)は面白いが、
主人公達の成長物語の方はよくいえば非常に少年誌的、
悪くいえばちょっとありきたりな印象。
とはいえ4巻で毒みたいなものが見えてきたので、
それが物語にどう働きかけるのかが今後の見所になりそう。
・東京トイボックス全2巻(作者:うめ)
チェイサーゲームを購入したことが起因か、
同じくゲーム業界を舞台にしたマンガでKindleからオススメされたので購入。
チェイサーゲームと違って少年誌的なノリは皆無だが、
色々癖のあるそれなりに大人なキャラ達の奮闘が魅力的で、
個人的にはこっちの方が好み。が、短い……。
東京トイボックス【デジタルリマスター版】(1) (スタジオG3)
- 作者:うめ(小沢高広・妹尾朝子)
- 発売日: 2019/12/27
- メディア: Kindle版
・大東京トイボックス全10巻(作者:うめ)
続編。おおお、面白いいぃぃぃぃ。
新人ちゃんがきたことで若者の成長物語的要素も加わり、
巻数が一気に増えて物語展開もぐっと深みを増してる!
後半は話が重くなったり複雑になったりもするけど、
芯の通った熱い物語でとてもエンタメしてる作品でした。
今月一番の拾い物。Thank You, Kindle!!
大東京トイボックス【デジタルリマスター版】(1) (スタジオG3)
- 作者:うめ(小沢高広・妹尾朝子)
- 発売日: 2019/12/27
- メディア: Kindle版
・東京トイボクシーズ1巻(作者:うめ)
おおお、面白いいぃぃぃぃ。
世界観は東京トイボックスと繋がってますね。
ただ続編ではないかな。結構がらりとキャラと物語は変わり、
今回の題材はタイムリーなeスポーツ。これまた面白い! 続き気になる!
・スティーブズ全6巻(作者:うめ)
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、
あまりにも有名な二人を主人公としたアップル起業物語。
史実を基にしつつうまくフィクションアレンジされていて、
本で読むのとはまた違ったジョブズ像でなかなか面白かった。
- 作者:うめ(小沢高広・妹尾朝子),松永肇一
- 発売日: 2018/02/16
- メディア: Kindle版
・南国トムソーヤ全3巻(作者:うめ)
もはやこの作者様のただのファンと化してしまった疑惑。
スティーブズを読み終えて手を出したのは南国日常系冒険譚。
日々の中で垣間見える島の歴史、隠された秘密と大人達の動きに翻弄されながら、
少年少女達が健やかに毒づきながら過ごす日常の物語。
単純にこの人が作る物語性、キャラクター性が好きなんだと思う。
モチーフはよくあるものかもしれないけど、
とにかくじわじわとボルテージあげていくのがうまい。面白かった。
- 作者:うめ(小沢高広・妹尾朝子)
- 発売日: 2018/05/11
- メディア: Kindle版
・金田一37歳の事件簿7巻(原作:天樹征丸、作画:さとうふみや)
玲香ちゃん出てきたけどすぐ消えてった……。
金田一が謎を解きたくない理由と未登場の美雪で引っ張りたいんだろうけど、
引っ張れるほど事件(トリック)が面白くない感は拭えない。
シリーズをずっと追ってきたので、最後まで読むだろうけど……。
・奇子全3巻(作者:手塚治虫)
Kindleで安かったしライトめな手塚治虫しか読んだことがなかったので購入。
高度経済成長期のいくつかの黒い事件が絡んでくるディープな作品。
でもメインは、田舎独特の捻じれと利己主義から生まれ落ちた少女を巡る罪と罰の物語。
最終章、光のあった場所がとても印象的な作品でした。
ゲーム
・ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション(開発:モノリスソフト)
Wii版は色々あってクリアまでいけなかったので念願のクリア。
リマスター版になってグラフィックが格段に綺麗になった、フィールド超綺麗。
UIもかなり扱いやすくなり、総じて最後まで楽しくプレイ出来た。
が、ボリュームが凄すぎてかなりお腹いっぱい。
しばらく大作RPGはいいかな、と思わせる程とにかく広大なマップを走り回った。
本編ストーリーよりその印象の方が圧倒的に強いなあ。
Xenoblade Definitive Edition(ゼノブレイド ディフィニティブ エディション)-Switch
- 発売日: 2020/05/29
- メディア: Video Game
・ダブルキャスト(開発:Production I.G)
ずっとやりたいと思っていたソフト。PSVITAをゲットしてついにプレイ。
分岐が非常にプレイしにくいが、評判通りとても面白かった。
いくつか考察サイトも見たけど、選択肢の重さが……なるほどすげえ、という感じ。
それにしてもここまでシーンが全部動くと紙芝居なんて揶揄されることもなさそう。
とはいえこれが出来たのはあの時代だからっていうのもあるのかなあ。
今これをやるにはだいぶお金がかかりそうだし、
上を納得させられるだけの売上見込がないと難しそう。
でもまたこういう作品が出てきて欲しいと思うだけの魅力ある一品でした。
フリーゲーム
・Buddy Collection EP3(開発:なるとりっく)
シリーズを追いかけ続けている作品ですが、ついにEP3きました。
Switchからも出ていて、EP3以降は有料オンリーになるのかなと思っていたのですが、
変わらずフリーで出してもらえることがありがたいやら申し訳ないやら。
プロ顔負けのUI・システム・キャラ・ストーリーを誇る推理ADVの本作、
今回も魅せてくれます。断絶された洋館を舞台としたデスゲーム!
シチュエーションも毎度よくここまで凝れるなと感心するばかりで、
徹底したエンターテイメント構造は本当にすごいですね、真似できない。
buddycollection.sakuraweb.com
本(小説)
・平浦ファミリズム(作者:遍柳一)
このテーマは非常に難しい。ちょっと間違うとすぐ薄っぺらくなる。
作者の思いや価値観は理解出来たが、物語を通して受け入れるのはちょっと難しかった。
ただ、キャラの配置やキャラクター性、
次々イベントが起きる展開力はさすが大賞受賞作といった印象。
久しぶりにラノベ読んだけど、こういう作風が許容されていることは嬉しく思いました。
・小夏と麦の物語(作者:飛騨俊吾)
少しだけ残酷さはあるものの、終始優しい物語。
人間の視点と猫の視点がそれぞれあって、本当に丁寧に日常が描かれていく。
それは人によってあまりにも穏やかでとても美しい物語かもしれないけど、
自分には優しすぎてちょっぴり胸焼けするような読後感でした。
・一人称単数(作者:村上春樹)
相変わらずジャズと野球とセックスと哲学の話が詰まった短編集。
正直意味不明な話もままあるのだが、それでもさらりと読ませる文体、
不思議な心地よさのあるリズム感と比喩表現はやっぱりすごい。
他の人がどこにも繋げられなさそうな物語をちゃんと着地させられるのも、
それもひとつの才能なんだろうなあ。
・逆ソクラテス(作者:伊坂幸太郎)
まさに伊坂節、すごく計算されたエンターテイメント短編集!
また、あとがきにもあったように子供を主人公にしている作品なので、
非常に難しいところに挑んでいるというのに、
きちんと伊坂幸太郎らしく面白いのはさすが。
本(小説以外)
・ゲームの企画書(1) どんな子供でも遊べなければならない
(作者:電ファミニコゲーマー編集部)
プロもちゃんと数値上の確率じゃなくて認識としての確率になるようにしてるんだね。
ウメハラさんの企画で見たSF2の制作秘話とかもそうだけど、
結構肌感覚を大事にしてるってのがとても面白かった。
ゲームの企画書(1) どんな子供でも遊べなければならない (角川新書)
- 作者:電ファミニコゲーマー編集部
- 発売日: 2019/03/09
- メディア: Kindle版
・桜井政博のゲームについて思うこと 2015-2019(作者:桜井政博)
スマブラディレクターでお馴染みの桜井さんのファミ通コラム集。
技術的なこともたまに入りつつ、全体を通してとにかくゲーム愛に溢れていた。
こんなにハイクオリティなゲームが毎年いくつも発表されていることを
できたら当たり前に思わないで欲しい、というメッセージをよく見かけたのが印象的。
- 作者:桜井 政博
- 発売日: 2019/04/25
- メディア: 単行本
・桜井政博のゲームを作って思うこと(作者:桜井政博)
またまたスマブラディレクターでお馴染みの桜井さんの。
この本はゲームクリエイター寄りの内容を集めて作られているので、
バランスとかパルテナの鏡の作成秘話とかが読めて面白かったです。